夢で遭遇いましょう
会 館
「会館」 画像生成 Google Jemini
久しぶりに新興宗教団体「正教会館」の会合に顔を出した。俺は子供の頃からの「会館員」だが(つまり、親が会館員だったということだ)、もう何年も組織から離れていた。会場に入ると、見慣れない顔がちらほらとある中に、特に目を引く新来者がいた。スドー君というらしい。
お勤めが始まった。だが、どうにも呼吸が合わない。みんなばらばらだ。どうしてみんなは導師に合わせようとしないのだ? イライラを感じる。今時の会館はこんなものかという白けた気分に満たされる。居心地の悪さに耐えかねて、俺はそっと席を立ちトイレへと向かった。
用を足し、元の場所に戻ろうとしたが、元の場所が全く分からない。そもそも会館の中はやたらと広く、無数の部屋と部屋がつながっているのだ。会館の中は迷路のように入り組んでいて、どの通路も同じように見える。焦りが募る。
そこへ偶々、俺を久し振りに会合に連れ出した反田さんとばったり遭う。
「どうしたんですか? 逃げたのかと思いましたよ」
「逃げた?」 それは聞き捨てならない。どうして、俺が逃げる必要があるのか? 一体何から逃げるというのか?
しかし、そこで議論しても仕方がないので、大人しく反田さんに「拉致」されて会場に戻る。
ちょうど皆で「三勝義種傅」を読み合わせる時間になっていた。そして、悪い予感は的中する。俺が当てられたのだ。中心者から音読せよ、言われる。
ところが読み始めると、俺の知っているそれとは全く違う。漢文だった(当たり前だ)。しかも、返り点も無性に多く(当たり前だ)、漢字も多い(当たり前だ)。俺の貧弱な知識では到底読める代物ではない。しどろもどろになり、声が震える。周囲の視線が突き刺さる。実は、他の誰もこの漢文を読めないらしく、俺は期待されていたのだと後で知った。これはとても俺の知っている「三勝義種傅」とは思えない。以前、自分の結婚式の晩の二次会のあとのバーで「三勝義種傅」なんて簡単だ、と言い放って、友人たちから顰蹙を買ったことを思い出す。これはその時の罰なのか? 自分でも顔面蒼白になっているのが分かった。
結果的に、俺は病院に強制入院させられることになった。ずっと目の検査が続く。これはフェイクだ。俺の目は悪くない。組織は俺を病院送りにすることで、あの会場での出来事を何事もなかったかのようにしたつもりだろうが、そうはいかない。強い憎しみと怒りがこみ上げてくる。
ところが、その病院の医者が、驚くほど俳優の瑠奈に似ているのだ。いや、似ているというよりも、瑠奈その人ではないのか? 彼女は検査の時、じっと俺の目の中の秘密の穴の中にある秘密の部屋を探しているようだった。そこに何かが隠されているのだ。その視線に、俺はなぜだかいい気分になり、いつの間にかその女医を好きになっていた。俺はすぐに好きになるのだ。これは、会館が瑠奈に似た医者を使って、俺を色仕掛けで籠絡するつもりなのか? そmそも俺は診察されることが好きなのだ。
「瑠奈に似た女医に診察される」 画像生成 Google Jemini
そうこうするうちに、会館への怒りは薄れ、ついには会館のことすら忘却の彼方へと遠ざかっていった。瑠奈に似た彼女の瞳が、俺の心を完全に支配してしまったのだから。
会 館
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①1349字(4枚) 20250726 0542
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